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AIっぽい文章は、文章力を上げても直りません。
直すのは決まった数か所を消して、自分しか知らない情報を戻すこと。センスは要りません。
ChatGPTに書かせた報告書を読み返して、内容は合っているのに何か落ち着かない。
これ、上司にも伝わるんじゃないか。送信ボタンの前で手が止まった経験のある人は多いでしょう。
その落ち着かなさは、中身ではなく形から出ています。
段落の始まり方、文の長さのそろい方、締めの一言。読み手は理屈より先に、この形で気づきます。
しかし、形の癖は数えられるほどしかありません。だから、直すのも5分で終わります。
今回は、AI感が出る7か所と、直す順番、そのまま貼れる指示文を並べます。
- 日付…AIは皆さんの締切を知りません
- 金額と件数…数字が1つ入るだけで、文章は急に具体的になります
- 担当者名…誰がやるのかは、社内文書でいちばん見られる場所です
- 案件名や社内での呼び名…その職場でしか通じない言葉こそ、人が書いた印になります
- 前回の会議の空気…誰が渋い顔をしたかは、議事録にも残っていません
AIが書いた文章は、なぜ浮いて見えるのか
AIの文章は、事実として間違っていなくても浮きます。
なぜなら、書き方の癖が毎回きれいにそろうからです。
人間は、ここまで整った文章を書きません。締切に追われて書けば、長い文と短い文が混ざり、接続詞も抜け落ちます。
自分の下書きを見返して気づいた癖を、出る場所ごとに並べたのが次の表です。左が下書きのままの状態、右が実際の社内文書に近い形です。
| 出る場所 | AIが書きがちな形 | 人が書いている文書の形 |
|---|---|---|
| 段落の頭 | 「まず」「さらに」「加えて」「一方で」が等間隔で並ぶ | 接続詞なしで始まる段落が混ざる |
| 数のそろえ方 | 「ポイントは3つあります」 | 「2点あります」「4点目は細かい話ですが」 |
| 使う名詞 | 効率化・最適化・可視化・強化・推進 | 「B社の見積が2日遅れた」 |
| 文の長さ | どれも40〜50字前後でそろう | 15字の一文と70字の一文が混ざる |
| 結論 | 「ケースバイケースだと考えられます」 | 「9月からこのやり方は止めます」 |
| 固有名詞・数字 | ほとんど出てこない | 日付・金額・担当者名が入っている |
| 締めの一文 | 「今後も継続的な改善が求められます」 | 「次回の定例で結果を共有します」 |

右の列に共通しているのは、書いた人しか知らない情報が入っていることです。
日付、金額、社内での呼び名、前回の会議で誰が渋い顔をしたか。
AIはそれを持っていないので、当たり障りのない言葉で埋めるしかありません。
つまり直し方の中身は、文章をきれいにすることではなく、AIが持っていない事実を自分の手で足すことなのです。
提出前の5分で見るのは、この7か所です
下書きができたら、直しにかかる前に、次のチェックリストを上から順に当てていきます。
読み返すのではなく、探すつもりで見るのがコツです。
- 段落の頭に接続詞がそろっていないか
- 「3つあります」で無理に数をそろえていないか
- 効率化・最適化などの抽象名詞が、数字なしで並んでいないか
- 文の長さが全部そろっていないか
- 結論が「一方で〜も重要です」で二股になっていないか
- 日付・金額・担当者名・案件名が1つも入っていない段落がないか
- 最後が一般論で終わっていないか
1. 段落の頭の接続詞
いちばん見つけやすい癖です。
「まず」「さらに」「加えて」が段落の先頭に規則正しく並んでいたら、そこが発生源。
対処は削除で済みます。半分ほど消しても、意味はちゃんと通ります。
2. 何でも「3つ」にそろえる癖
「課題は3点あります」が2回以上出てきたら、そこは疑ってください。
実際の仕事が3にきれいに収まることは、そう多くありません。
数合わせで足された3つ目はたいてい中身が薄いので、遠慮なく2つに減らしてしまいましょう。
3. 数字のない抽象名詞
「業務の効率化を推進し、情報の可視化を強化する」。
読めます。しかし、何も言っていません。
見つけたら「それは何分の話か」と自分に聞いてみます。
答えられるなら数字に置き換え、答えられないなら段落ごと削るのが早いです。
4. そろいすぎた文の長さ
AIの文は40〜50字前後に落ち着きがちで、全部が同じ呼吸で進みます。
直し方は乱暴でかまいません。
「原因は在庫です。」のような短い一文を1つ放り込むだけで、読んだときのリズムは目に見えて変わります。
5. 二股のままの結論
7つのなかで、いちばん実害が大きい項目です。
AIは判断の責任を負えないので、「一方で〜も重要です」と両論を残そうとします。
しかし、社内文書で求められているのは皆さんの判断です。
「A案で進めます」と言い切って、理由を1行だけ足してください。
6. 固有名詞と数字の欠落
日付・金額・件数・担当者名・案件名。
このどれかが入っているかを、段落ごとに目で追います。
1つも入っていない段落が続いていたら、そこは丸ごとAIの言葉です。
埋める作業はAIに任せられません。しかし裏を返せば、埋めた瞬間に皆さんにしか書けない文書になるのです。
7. 一般論で終わる締め
「引き続き注視してまいります」。
この手の締めは、情報量がゼロです。
代わりに、次は誰が何をいつまでにやるのかを書きましょう。
「9月5日の定例で、実施後の件数を報告します」。これで最後の一文が、仕事の文書に変わります。
直す順番は「削る・戻す・混ぜる」の3ステップです
7か所を頭から順に直そうとすると、時間がかかります。
そこで、手をつける順番を先に決めてしまいます。この3ステップなら、5分前後で一周できます。
段落頭の接続詞、数合わせの3つ目、締めの一般論。
この3種類は、読まずに消してしまいます。判断しながら読むと手が止まるので、機械的にいきます。
迷ったら消す側に倒して大丈夫です。ここだけで、見た目の印象はかなり変わります。
削って空いたところへ、AIが知らない事実を入れていきます。
日付、金額、件数、案件名、社内での呼び方。
抽象名詞は、ここで具体的な事実に置き換えてしまいましょう。この工程がいちばん効きます。
最後に文の長さを崩し、結論を1つに言い切ります。
短い一文を2〜3か所に差し込み、「一方で」で濁している箇所を皆さんの判断に書き換えて終わりです。

先に「戻す」から手をつけると、あとで削る予定だった文にまで情報を足してしまい、文章がふくらみます。
削ってから戻す。この順番のほうが、結果として短く読みやすい文書になります。
そのまま貼って使える指示文を3つ
手で直すのが基本です。
しかし、AI側に下ごしらえをさせておくと、削る手間がかなり減ります。
ChatGPTでもClaudeでもGeminiでも、そのまま貼って使えます。
①下書きを作らせるときに最初から渡す
社内向けの報告書の下書きを作ってください。次の条件を守ってください。
・段落の先頭に接続詞を置かない
・「3つあります」のように数をそろえない
・効率化、最適化、可視化などの抽象的な言葉を使わない
・結論は1つに言い切る(両論併記をしない)
・文の長さをそろえず、短い文と長い文を混ぜる
・「継続的な改善が求められます」のような一般論で終わらない
・事実が分からない箇所は推測で書かず【要確認】と書く
<盛り込む内容>
(ここに箇条書きで事実を貼る)
効くのは、最後の【要確認】の一行です。
AIが知らないことを勝手に埋めなくなるので、STEP2で戻す場所が一目で分かります。
②できあがった文章を直させる
次の文章を、社内文書として自然な日本語に直してください。
1. 段落の先頭の接続詞を半分以上削る
2. 抽象的な名詞を、具体的な行動や数量の表現に置き換える
3. 文の長さをそろえず、10字程度の短い文を2〜3か所入れる
4. 最後の一文を、次のアクションと期限を示す文に変える
5. 意味を変えない。事実の追加や脚色はしない
<文章>
(ここに貼る)
5番目の「意味を変えない」を外すと、AIが親切心で事実まで足してくることがあります。
③直させずに、指摘だけさせる
私がいちばん使うのは、これです。
書き換えまで任せると自分の言い回しも消えてしまうので、場所だけ教えてもらって手で直します。
次の文章を読み、「AIが書いたように見える箇所」を指摘してください。
書き換えは不要です。該当箇所の引用と、理由を1行ずつ挙げてください。
観点は次の7つです。
接続詞の並び/数の3つそろえ/抽象名詞/文の長さの均一さ/
結論の両論併記/固有名詞と数字の欠落/一般論の締め
<文章>
(ここに貼る)
| 指示文 | どんなときに使うか | 向いている人 |
|---|---|---|
| ①最初から渡す | これから下書きを作る | 白紙から任せたい人 |
| ②直させる | 下書きがもうできている | とにかく早く仕上げたい人 |
| ③指摘だけさせる | 自分の言い回しを残したい | 文章に自分の手を入れたい人 |
この3つは、どのサービスで試しても大きくは変わりません。
まだ有料プランを持っていないなら、ChatGPT公式サイトかClaude公式サイトの無料枠で、③から試してみてください。
指摘だけなら、短いやり取りで終わります。
報告書・メール・議事録・企画書で、直す場所は変わります
7か所すべてを毎回見る必要はありません。
文書の種類ごとに、出やすい癖はだいたい決まっています。時間がない日は、右の列だけ直せば十分です。
| 文書 | 特に出やすいAI感 | 優先して直すところ |
|---|---|---|
| 報告書 | 結論の両論併記/一般論の締め | 結論を1つに言い切り、最後を次のアクションと期限に変える |
| 社内メール | 前置きと気づかいの文が長い | 用件を1行目に出し、前置きを2行削る |
| 議事録 | 発言がきれいに要約され、誰の発言か消える | 発言者名・決定事項・期限を戻す |
| 企画書 | 抽象名詞と「3つあります」 | 金額・実施日・対象部署などの数字を入れる |

議事録だけは、少し性質が違います。
AIは発言を整えてしまうので、玉虫色のまま終わった議論まで、結論が出たように見えることがあります。
読み返して「この決定、本当に決まったか」と引っかかったら、そこは元の発言に戻してください。
やりすぎると、今度は別の不自然さが出ます
ここまで読んで、全部消したくなった人もいるでしょう。
しかし、直しすぎた文章もまた読みにくくなります。
- 接続詞を全部消す…論理の順序が読み取れなくなります。半分残すくらいが目安です
- わざと崩した口語を混ぜる…社内文書では、AI感より先に軽さが気になります
- 誤字をわざと残す…人間らしさの演出にはなりません。信用が減ります
- 数字を印象で書く…AI感は消えても、事実が間違えば失うものが大きくなります
なお、AIに下書きを作らせてよいかどうかは、社内規程の問題です。文体を直しても、そこは変わりません。
社外秘の情報をAIに貼ってよいかどうかも、文体の直し方とは別に、いちど確認しておきましょう。
もう一点あります。
ここまでの話は、あくまで読み手の印象=文体の話です。AIが文章に埋め込む機械的な印は、まったく別の仕組みで動いています。
Anthropicの公式サポートページには、大きく編集したり言い換えたりすると印を検出できなくなる場合があると書かれています。
仕組みのほうが気になる人は、こちらの記事にまとめました。
AIっぽい文章の直し方でよくある質問
- 7か所すべてを直す時間がありません。どれを優先すればいいですか。
-
「結論の両論併記」「固有名詞と数字の欠落」「一般論の締め」の3つです。読み手が最初に引っかかる場所で、直すと文書の中身そのものも良くなります。残りの4つは見た目の癖なので、後回しでかまいません。
- AIに「AIっぽくしないで」と頼むだけでは足りませんか。
-
足りません。いちばん効く直しは「日付・金額・担当者名を入れる」ことですが、これはAIが持っていない情報なので、頼んでも出てきません。指示文で減らせるのは癖のほうだけ、と思っておくと期待がずれません。
- 文章を直せば、AIで書いたと分からなくなりますか。
-
読み手の印象という意味では、かなり薄くなります。しかし機械的な検出は文体とは別の仕組みなので、直したかどうかとは連動しません。詳しくはClaudeの見えない透かしの記事にまとめています。
- 上司から「これAIで書いた?」と聞かれたら、どう答えるのがいいですか。
-
下書きはAI、事実の確認と判断は自分。そう答えられる状態にしておきましょう。この記事の直し方を通していれば、日付も数字も結論も自分で入れているので、その説明が実態と一致します。
- 無料プランでもこの直し方はできますか。
-
できます。とくに「指摘だけさせる」使い方は1往復で終わるので、無料枠とも相性が良いでしょう。下書きを毎日つくるようになってから、有料プランを考えても遅くありません。
まとめ:削って、自分しか知らない情報を戻す
AIっぽい文章の直し方は、文章のうまさとは関係ありません。
出る場所が決まっているので、そこを見るだけです。
- AI感は中身ではなく形に出る。接続詞・3つそろえ・抽象名詞・均一な文の長さ・両論併記・数字の欠落・一般論の締めの7つ
- 直す順番は削る→戻す→混ぜる。合計5分前後で終わる
- いちばん効くのは、日付・金額・担当者名を戻す工程
- 時間がなければ「結論の言い切り」「数字」「締め」の3つでよい
- 誤字をわざと残すような小細工は逆効果
最初は、どこを消していいのか迷うかもしれません。
しかし、消しすぎて困ることはほとんどありません。日付と金額と担当者名さえ手元にあれば、削ったあとの文書はちゃんと立ち上がります。
そして、皆さんが毎日見ている日付と数字は、AIがどれだけ賢くなっても持てないものです。
いま手元にあるAIの下書きを開いて、最後の一文だけ書き換えてみましょう。
「継続的な改善が求められます」を「9月5日の定例で結果を報告します」に変える。今日はそれだけで十分です!
下書き作りから任せる相棒をまだ決めていないなら、ChatGPT公式サイトとClaude公式サイトのどちらも無料枠から始められます。
文章中心の仕事が多いなら、私はClaudeから試すのをおすすめします。
- AIで書いた文章はバレる?Claudeの見えない透かしを解説
文体ではなく、技術的に判別される仕組みのほうが気になる方へ - 【2026年】AIツールおすすめ比較|用途別に選ぶ
そもそもどのAIに下書きを任せるか決めかねている方へ - ClaudeとChatGPTの違い|両方課金して使い分け
文章の仕事が多い人はどちらを選ぶべきかを、両方契約した立場でまとめました
- 情報の確認日:2026年8月17日。本文で触れた仕様は、Anthropicの公式サポートページで確認しています。
- 執筆の前提:筆者はエンジニアではない会社員です。Claudeの有料プラン・ChatGPT Plus・Perplexityの有料プランを契約していて、本文の直し方は日々の社内文書で使っている手順です。
- 広告について:本サイトにはアフィリエイト広告を含む場合があります。掲載内容を報酬の有無で変えることはありません。
- 修正方針:仕様の変更を確認した時点で本文を更新し、確認日を書き換えます。
