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先に身も蓋もない話をします。Kindleで買った本は、そのままではAIに読ませられません。
積んだままのビジネス書をAIに要約させたい。去年読んだ本の要点を、いま質問して引き出したい。そう考えてGemini NotebookやChatGPTの画面を開き、アップロードの手前で止まった人は多いはずです。
検索すると「変換ソフトを通せばできる」という手順も出てきます。この記事では、その種の方法は扱いません。コピー防止の仕組みを外す行為には、法律上の問題があるからです。
代わりに、正規のルートだけを5つ並べます。手元の本がどれに当たるかを決めれば、やることは1本に絞れます。
そしてもうひとつ。2026年8月27日、Googleが「Expert Intelligence」という新しい入口を発表しました。Google Playブックスで買った電子書籍を、Gemini Notebookにそのままつなげる仕組みです。対象は10万冊以上。ただし日本の読者には、見落とすと時間を丸ごと無駄にする条件がひとつあります。
この記事の内容は、2026年8月29日に私がGoogle公式ブログ・Google公式ヘルプ・Amazon公式ヘルプを開いて確認しました。私はGoogle AI Proを契約している非エンジニアの会社員です。ただしExpert Intelligenceは英語の書籍だけが対象のため、この機能を試した体験は1行も書いていません。
読み終わる頃には、あなたは自分の本がどのルートに当たるかを判定して、今日そのまま手を動かせる状態になっています。
- Kindleで買った本がそのまま使えない理由(1分で読めます)
- グレーな手段に寄らずに済む、5つの正規ルートと手順
- 2026年8月27日に始まったGoogle Playブックス連携の対象条件と、自分が対象かの見分け方
- 読ませる前に引っかかりやすい8つのつまずき
- 無料のままで足りるか、有料プランに上げる必要があるかの線引き
そもそも、なぜKindleで買った本はAIに入らないのか
理由は2つあります。ひとつは、Kindle本がAmazon独自の形式で配信されていること。もうひとつは、その本にDRM(コピー防止の仕組み)がかかっていることです。
つまりKindleは「読むためのアプリ」であって、本をファイルとして取り出す前提で作られていません。取り出せないものは、AIに渡しようがない。ここが出発点です。
Gemini Notebookが受け付ける形式は、公式ヘルプに一覧があります。2026年8月29日時点の内容は次のとおりです。
| 種類 | 受け付ける形式 |
|---|---|
| 文書 | PDF、Word(docx)、PowerPoint(pptx)、テキスト(txt)、Markdown(md)、CSV |
| 電子書籍 | ePub ファイル |
| Google のファイル | Googleドキュメント、Googleスライド、Googleスプレッドシート |
| Web・動画・音声 | WebのURL、公開されているYouTube動画のURL、音声ファイル、画像 |
| 入らないもの | Kindleの本(一覧に該当する形式がありません) |
ChatGPTやClaudeでも事情は変わりません。どのAIも、アップロードできるのは手元にあるファイルだけだからです。
- DRMを解除するソフトの使い方
- 本を裁断してスキャンする代行サービス
- 画面のスクリーンショットを文字認識にかけて、本文を丸ごとテキストにする手順
これらを紹介する記事もありますが、コピー防止の仕組みを回避する行為には法律上の問題があります。ここから先は正規のルートだけを書きます。
使えるのは5つの正規ルート|自分の本がどれかを先に決める
ここからが本題です。手元の本や資料は、次の5つのどれかに振り分けられます。振り分けが済めば、読むべき手順は1つに絞れます。
判定は上から順に3つ質問するだけです。「ファイルとして手元にあるか」「Google Playブックスで買った英語の本か」「Kindleで読み終えた本か」。この順で当てはまったところが、あなたのルートです。

それぞれのルートが誰向けかを、先に表で見ておきましょう。
| ルート | 何を読ませるか | こういう人向け |
|---|---|---|
| 1. ePubを直接 | DRMのないePubファイル | 技術書やDRMフリー版を買っている人 |
| 2. PDFを直接 | PDFで買った本・配布資料 | 出版社の直販や資料集で買った人 |
| 3. Playブックス連携 | Google Playブックスの対象書籍 | 英語の本を読む人・これから買う人 |
| 4. メモとハイライト | 自分が線を引いた箇所とメモ | Kindleで読み終えた本がある人 |
| 5. 自分の資料 | 読書メモ・自分で書いた文書 | 手元のメモから始めたい人 |
迷ったら、まずルート5から試すのが早道です。自分で書いたメモなら権利の心配がなく、Gemini Notebookの操作にも慣れられます。
ルート1:DRMのないePubなら、そのままアップロードできる
Gemini Notebookの対応形式には、ePubファイルが入っています(2026年8月29日確認)。ePubは電子書籍の標準的な形式で、コピー防止がかかっていないものならファイルをそのまま追加できます。
どこで手に入るのか、と思いましたよね。主な入手先は3つです。
- 出版社の直販サイト/技術書や専門書は、出版社が自社サイトでePubを売っていることがあります
- DRMフリーをうたう電子書籍ストア/購入ページに「DRMなし」と書かれているものが該当します
- 著作権の保護期間が終わった作品/古典を無償で配布しているサイトから入手できます
注意したいのは、同じ本でも買う店によってDRMの有無が変わる点です。ストアの名前ではなく、その商品ページの表記で判断しましょう。
技術書・専門書をよく買う人。1冊まるごとをAIに読ませたい人。手元にePubファイルがあるなら、これがいちばん手数の少ないルートです。
ルート2:PDFで持っている本と資料を読ませる
PDFも対応形式です。出版社の直販で買った本、セミナーの配布資料、自分でダウンロードした報告書。この辺りはそのまま追加できます。
ここで1つだけ、先に確かめてほしいことがあります。そのPDFは、文字を選択してコピーできますか。
紙をスキャンしただけのPDFは、中身が写真と同じ扱いになっていることがあります。人間の目には文字に見えても、機械から見れば模様です。この状態だと、AIは中身をうまく読み取れません。
判定は簡単です。PDFを開いて本文をドラッグしてみて、文字が青く反転すれば大丈夫。反転しなければ画像だけのPDFです。
本だけでなく、社外セミナーの資料や公開レポートもまとめて読ませたい人。PDFは1ソースあたり200MBまで、50万語までが上限です(2026年8月29日確認)。分厚い資料は章ごとに分けて入れると、引用元もたどりやすくなります。
ルート3:Google Playブックスの本を直接つなぐ(2026年8月27日開始)
ここが今回いちばん新しい話です。2026年8月27日、GoogleがExpert Intelligenceという取り組みを発表しました。
できるようになったのは、Google Playブックスで買った対象の電子書籍を、Gemini Notebookのソースとして直接追加することです。ファイルを書き出す作業はありません。買った本が、ノートブックの中に並びます。
開始時点で10万冊以上が対象です。参加している出版社には、Bloomsbury、De Gruyter Brill、Johns Hopkins University Press、Macmillan Publishers、O’Reilly Media、Penguin Random House などが名を連ねています。
日本の読者にとっての条件:対象は英語の本だけ
先に結論を書きます。この機能の対象は、Playブックスの英語の電子書籍だけです。日本語の本は現時点で対象外です。
Google Playの公式ヘルプは「Select English language ebooks in Play Books can be added to Gemini Notebook.」という一文で説明しています(2026年8月29日確認)。訳すと「Playブックスの英語の電子書籍のうち、対象のものをGemini Notebookに追加できます」。
ですから「積んである日本語のビジネス書をこれで片づけよう」という使い方は、まだできません。日本語の本は、この記事のルート1・2・4へ回してください。
では日本にいる読者には無縁かというと、そうでもありません。公式ヘルプが対象外の理由として挙げているのは、出版社がこの機能を有効にしていないことと、本の言語や体裁の2つで、国や地域の制限には触れていません。対象になっている英語の本を買えば条件は満たせる、という読み方になります。原書で技術書や洋書を読む人には、むしろ相性のいい入口です。
Expert IntelligenceのGoogle Play公式ヘルプは、日本語を選んでも本文が英語のまま表示されます(2026年8月29日時点)。ページ上部にも、この言語ではまだ利用できない旨の案内が出ます。読むときはブラウザの翻訳機能を併用すると楽です。
自分の本が対象かを確かめる2つの方法
買う前か、すでに持っているか。確かめ方は場合によって変わります。
- これから買う本/Google Playブックスの書籍詳細ページで、ページ数の近くにある「Tools」バッジをクリックします。開いた中に「Gemini Notebook」が並んでいれば対象です
- すでに持っている本/アプリで表紙を長押しするか、ウェブのライブラリでメニューから「About this book」を開きます。「Read」ボタンの近くに「Use with Gemini Notebook」が出ていれば対象です
ノートブックに追加する手順
Gemini Notebookに、Playブックスで本を買ったのと同じGoogleアカウントでログインします。ここがずれていると、あとの一覧に本が出てきません。
「新しいノートブックを作成」を選びます。本ごとに分けても、テーマでまとめてもかまいません。
画面左の「+ ソースを追加」を開き、Playブックスのアイコンを選びます。
持っている本が一覧に出ます。対象外の本も表示はされますが、グレーになっていて選べません。対象の本にチェックを入れて追加すれば完了です。
追加が終われば、あとは普通のノートブックと同じです。質問する、要点をまとめさせる、音声解説にする。操作そのものはGemini Notebookの使い方|音声概要の作り方で画面つきに追っています。
対象外になる本と、覚えておきたい制限
対象冊数は増減します。公式ヘルプは、出版社がこの機能を有効にしていない場合や、本の言語・体裁の都合で対象外になる場合があると説明しています。
見落としやすいのがもう1点。自分でPlayブックスのライブラリにアップロードしたファイルは、このソースとしては使えません。手元のPDFをPlayブックスに入れて連携させる、という抜け道は用意されていない、ということです。そのPDFはルート2としてGemini Notebookへ直接アップロードしてください。
共有についても線が引かれています。この本を入れたノートブックを誰かと共有しても、相手は自分でその本を買わないと中身に踏み込めません。読書会の資料として配る、といった使い方はできない設計です。
また、発表にあわせて配られている無料書籍の特典は、米国のGoogleアカウント向けです。日本のアカウントは対象に入りません。
今後については、Gemini Notebookに続いてGeminiアプリとGoogle検索のAIモードへ広げる予定、さらに書籍以外のサードパーティのサブスクリプション・ビジネス調査レポート・教科書も追加する予定が示されています。詳しい発表内容はGoogle公式ブログのExpert Intelligence発表記事で確認できます。
英語の本を読む人。原書の技術書や海外のビジネス書を、日本語で質問しながら読み進めたい人。日本語の本しか持っていない場合は、いまは他のルートを選んだほうが早く進みます。
ルート4:Kindleの「メモとハイライト」だけを持ち出す
ここまで読んで、「結局Kindleの本は諦めるしかないのか」と思った人へ。全部が消えるわけではありません。
本文そのものは取り出せません。けれど、あなたが読みながら線を引いた箇所と、書き込んだメモは、1つのリストにまとめて見られます。
Amazonの公式ヘルプ「Kindle for Webでノートブックを表示する」に手順があります(2026年8月29日確認)。
マウスポインターを画面の上部へ動かすと、メニューバーが表示されます。
その本のハイライト・メモ・ブックマークが、すべて一覧で並びます。リストの項目をクリックすると、その本文のページへ移動できます。
一覧を見ながら、要点と自分の気づきをテキストにまとめます。そのテキストをGemini Notebookに貼り付ければ、質問できる状態になります。
ここに出てくるのは本の全文ではなく、あなたが選んだ部分だけです。それは弱点ではありません。読んだときに引っかかった箇所だけが残っているのだから、AIの答えも自分の関心に寄ります。
ハイライトの文章そのものは、著者が書いたものです。自分の勉強や仕事の整理として使う範囲にとどめ、抜き書きをそのままブログやSNSに載せるのは避けましょう。手順の詳細はAmazon公式ヘルプでご確認ください。
ルート5:自分で作った資料は、いちばん気楽に読ませられる
忘れられがちなルートです。読書メモ、自分で書いた議事録、社内研修で自分が作ったレジュメ、備品購入のルールをまとめた手順書。これらは自分が書いたものなので、権利の心配がありません。
本をAIに読ませたい人ほど、この順番を試す価値があります。読んだ本の要点をいったん自分の言葉でメモに書き、そのメモをAIに読ませる。手間が増えたように見えて、実は答えの精度が上がります。あいまいな要約を渡すより、あなたが重要だと判断した順に並んだメモのほうが、AIには扱いやすいからです。
ソースの数え方も気にしておきましょう。1つのファイル=1ソースです。無料プランは1つのノートブックに50ソースまで入ります(2026年8月29日確認)。1冊分のメモを1ファイルにまとめる数え方なら、無料のままで50冊分を1つのノートブックに集められる計算になります。
まず操作に慣れたい人。読書メモが何冊分かたまっている人。ここから始めれば、権利のことを考えずに手を動かせます。
先につぶしておきたい、8つのつまずき
手順どおりに進めても引っかかる場所が8つあります。先に見ておけば、原因探しの時間を使わずに済みます。
| 落とし穴 | 何が起きるか | どうするか |
|---|---|---|
| 1. 対象は英語の本だけ | Playブックス連携に日本語の本が出てこない | 日本語の本はルート1・2・4へ回す |
| 2. 自分でアップした本は対象外 | Playブックスへ自分で入れたファイルはソースに選べない | そのファイルを直接アップロードする |
| 3. アカウント違い | 買った本が一覧に出てこない | Playブックスと同じアカウントでログインする |
| 4. 共有相手は読めない | 共有された人は、その本を買わないと中身に踏み込めない | 共有前提なら本以外のソースで組み立てる |
| 5. ソース数の上限 | 1つのノートブックに入る数に限りがある(無料は50) | テーマごとにノートブックを分ける |
| 6. 1ソースの上限 | 50万語・200MBを超えるファイルは入らない | 章ごとに分割して入れる |
| 7. 画像だけのPDF | 文字として読み取れず、回答が的外れになる | 文字を選択できるかを先に確かめる |
| 8. 図表は扱えない | Playブックス連携は現時点でテキストだけが対象 | 図が主役の本は他のルートを使う |
資料を読ませたのに答えが的外れになるときの切り分けは、AIに資料を読み込ませたら的外れ|原因の切り分けにまとめてあります。
無料のままで足りるか、有料プランに上げるか
本を読ませるだけなら、無料のままで始められます。判断が分かれるのは、資料が増えてきてからです。
Gemini Notebookの上限は、契約しているGoogle AIプランで変わります。2026年8月29日に公式ヘルプで確認した内容が次の表です。
| 項目 | 無料(Standard) | Plus | Pro | Ultra |
|---|---|---|---|---|
| 1ノートブックのソース数 | 50 | 100 | 300 | 500〜600 |
| 作れるノートブック数 | 100 | 200 | 500 | 500 |
| チャット | 50回/日 | 200回/日 | 500回/日 | 2,500〜5,000回/日 |
| 音声解説 | 3件/日 | 6件/日 | 20件/日 | 100〜200件/日 |
線引きはシンプルです。1つのノートブックに50を超える資料を入れないなら、無料のままで足ります。逆に、1つのテーマに何十冊分もの資料を集めて横断的に質問したいなら、ソース数が6倍になるProが効いてきます。
迷っているなら、まず無料で1冊分を入れてみるのが正解です。上限に触れてから考えても遅くありません。
公式ヘルプの表には「変更される場合があります」と添えられています。申し込む前にGoogle AI のプラン(Google One 公式サイト)で当日の料金と条件をご確認ください。
プランごとの違いと選び方は、別記事で整理しています。
よくある質問|Kindle・Playブックスまわりの疑問
- Kindle本のページをスクリーンショットしてAIに貼るのはどうですか。
-
1ページの意味を尋ねるのと、本文を丸ごと画像にして取り込むのとでは、話がまったく別になります。この記事では後者は扱いません。判断に迷う使い方なら、5つの正規ルートのどれかに寄せるのが安全です。
- ChatGPTやClaudeでも同じことができますか。
-
ファイルをアップロードして読ませる点は同じです。ただし対応形式と1回に扱える量が違います。PDFを読ませたときの差はChatGPT・Claude・GeminiのPDF読み込み比較で並べています。
- Expert Intelligenceは日本のアカウントでも使えますか。
-
公式ヘルプに国や地域の制限は書かれていません。対象になっている英語の本をGoogle Playブックスで買えば、条件は満たせる読み方になります。日本語の本は現時点で対象外です。なお発表にあわせた無料書籍の特典のほうは、米国のGoogleアカウント向けです。
- NotebookLMという名前で覚えているのですが、別物ですか。
-
同じツールです。2026年7月にGemini Notebookへ名称が変わりました。変更点はGemini Notebookとは?改名の変更点まとめに整理しています。
- 1冊入れると、ソース数はどれくらい減りますか。
-
1ファイル=1ソースで数えます。ePubの本を1冊入れれば1つ、章ごとに5分割して入れれば5つです。分割すると引用元をたどりやすくなる代わりに、ソース数は早く減ります。
- 会社のパソコンで使ってもよいのでしょうか。
-
社外に出せない資料を扱うなら、勤務先の規程を先に確認してください。自分で買った本や自分の読書メモであれば、私物の環境で試すのがいちばん話が早いです。
まとめ:ルートを1本に決めてから、手を動かしましょう
買った本をAIに読ませたいとき、いちばん時間を溶かすのは「たぶん無理だろう」と「変換ソフトを探す」の往復です。Kindle本がそのまま入らないのは仕様であって、あなたの操作ミスではありません。
入口は5つあり、そのうち少なくとも1つは、いまのあなたの手元で今日から使えます。
- 手元の本を3つの質問で振り分ける/ファイルがあるか、Playブックスの英語の本か、Kindleで読み終えた本か
- 該当したルートで1冊だけ入れてみる/最初の1冊は薄い本か、自分の読書メモが向いています
- 質問を3つ投げて、引用元を開いてみる/答えの根拠が本文のどこかを確かめるところまでやると、使いどころの感覚がつかめます
日本語の本がPlayブックス連携の対象になる日は、まだ見えていません。それまでは、ePubとPDFと自分のメモで十分に戦えます。まずは1冊、入れてみてください。
この記事の次に読むと早い記事
- Gemini Notebookの使い方|音声概要の作り方/資料を追加したあとの操作を、画面の流れどおりに追っています
- Gemini Notebookとは?改名の変更点まとめ/NotebookLMから何が変わったのかを知りたい人へ
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